- 玉城
- 2014年入社
光学設計
5G通信を支える、光測定器の開発
私の所属する部署では、主に光測定器の開発を担っています。扱うのは、光スペクトラムアナライザ(以下OSA)、光波長計、光パルス試験機(OTDR)、マルチアプリケーションテストシステムなどの5G関連で話題に上ることも多い、光通信を支える製品です。そのほかにも、環境問題への取り組みを支える光測定器も開発しています。中でも、OSA開発における光学設計が私の担当です。OSAとは、光の色の成分を解析するための測定器で、その測定範囲は目に見える光だけでなく、紫外線からの赤外線まで広範囲にわたります。“光測定器”というその名の通り、光を受けて解析する測定器なので、どのように光を取り込むかが、製品の性能を左右する重要なポイントです。そのため、光や材料、機械設計などの様々な知識を用いて、その組み合わせを調整しながら製品をつくり込んでいます。
一生愛される製品をつくり続ける
OSAは、目で見えない光を解析・可視化する測定器です。そしてその中には、様々な分野の技術が詰まっていることもあり、新しい測定器の開発では苦労することが数多くあります。そうした困難を乗り越えた先で、今まで見えなかった光が見えるようになった時は、非常に大きな達成感がありますね。また、国内外問わず展示会に出展した際、お客様から「横河のOSAじゃないとここまで光を見ることはできない」とお褒めの言葉をいただけた時はとても嬉しかったですね。さらに、過去に販売終了した製品を新たに開発した際、「この製品のファンだったんです、復活ありがとうございます」と声を掛けていただけた時は、横河計測の製品がお客様から愛されていることを実感しました。このようにお客様が喜ばれている姿を見ると、もっと良いものをつくりたいと意欲が湧いてくるんです。
徹底的な原因究明が、
技術の進化へ
新製品の開発途中では、作業が思い通りに進まず、実験室にこもって地道に調整を繰り返す、なんてことがあります。そんな時でも諦めずにコツコツ続けられる方は、この仕事に向いていると思いますね。また、それ以上に大切なのは、物事を深く考える力です。製品は光学に限らず様々な技術の集合体であるため、予想外の場面でトラブルが発生することもあります。可能な限り、事前にシミュレーションをしていますが、それでも完全に防ぐことはできません。そういった際に、目の前のできごとに対して、なぜそうなったのかを想像し、少しでも多く深掘りすることが大切になるとともに、結果的に課題解決の近道になると考えています。こうした経験を経た次のステップとして、製品の光学部分全体の設計や、製品全体を任せてもらえるエンジニアへと成長していきたいですね。これまでは製品の一部分を任されることが多かったため、その範囲を広げていきたいと考えています。また、「この測定器だからこそ測ることができた」とお客様に喜んでいただけるような測定器を、一つでも多く世に輩出していきたいと思っています。
- My Secret to Precision.
- 〜「良い仕事」の秘訣〜
手放せない仕事道具
私にとって、「使わなくなった名刺」は手放せません。部署名が変わると、通常古い名刺は破棄しますが、私は捨てずに残しています。このほど良い紙質が、実験中の光路の確認や、光を遮るのに非常に便利なんですよね。使いたい場所にあわせて、切ったり折り曲げたり貼ったりできるので重宝しています。
私が手掛けた商品
開発を担当した製品の一つ「AQ6377」をご紹介します。5μm帯域という、光としてはとても長波長帯域の測定器です。この帯域は、大気中のガス検出など環境計測にも使用される光で、光源の開発や研究に役立っています。また、分解能やダイナミックレンジなどの特性から、業界最高性能を有する測定器であることも特徴の一つです。
This Work After 15 Years
入社15年目の仕事内容
- 光の透過・反射・屈折・回折・干渉などの光学シミュレーション
- 光学シミュレーションを活用した光モジュールの設計
- ミラーなどの光学部品を精密に動かすモーションコントロール部の設計
- 光モジュールの評価・検証、光モジュールの量産化製造技術の設計
- 測定値の値付け・トレーサビリティ設計