横河マニュファクチャリング株式会社

"ものづくり視点"の製品設計

”ものづくり視点”の製品設計とは

横河マニュファクチャリングはYOKOGAWAのサプライチェーンにおける生産機能を担っています。そのため、生産によって培われた"ものづくり視点"のノウハウがあります。"ものづくり視点"の製品設計とは、”ものづくり”のノウハウを設計段階から取り入れた、生産を見据えた製品設計のことです。
製品の品質・コスト・生産性は、開発段階で80%決まってしまうと言われています。そのため、製品開発の企画段階から、YOKOGAWAグループの技術部メンバーと共にものづくり視点で製品設計を行っています。

私たちのミッション

当社が目指す、”Manufacturing Total Solution”の実現に向けて、当社独自のものづくり設計に基づいて、生産設計から製造までを一貫して行うこと(ODM*)により、商品企画、仕様・設計、試作・試験、製品生産準備、生産維持という一連の開発フロー(ECM**)を最適化させることを目指しています。
これにより、調達から製造・販売(SCM***)の全体最適にも貢献することを目指しています。
具体的にはに、開発の上流工程(フロントローディング)における、部品・設計の標準化を加速させるとともに、量産フェーズ(製品維持)における再設計の効率化、部品在庫の極小化を図り、製品ライフサイクルに渡っての調達性改善・コストミニマム化によって利益最大化にも貢献しています。


ECMSCM

ODM* : Original Design Manufacturing
ECM** : Engineering Chain Management
SCM*** : Supply Chain Management

 

         QA

横河マニュファクチャリングが ”製品設計”を行う価値

開発部署は 製品別の技術部が それぞれに最適設計を行っている個別最適になっています。生産機能会社である当社が製品設計を行うことで、全製品を見た共通化や、生産拠点との連携による全体最適を実現することにあります。
そのため、私たちは以下のVisonを持っています。
【"ものづくり"と"設計"をつなぐ】
 "ものづくり視点"の設計によって、製品の新たな価値を創造します
【"開発拠点"と"生産拠点"をつなぐ】
 YOKOGAWAグループ開発部署 および 生産拠点の連携によって、経営の効率化を目指します

製品設計をするタイミングは大きく2つあります。
 ①新製品開発時:製品の企画・試作の段階から"ものづくり視点"の生産設計を行い、実際に生産した後の設計のやり直しを防ぐことで、開発効率を上げます
 ②部品の廃止や製品性能向上に伴う設計変更時:製品性能だけでなく、現状の生産課題を抽出して、"ものづくり視点"で生産課題を改善する設計を行います

 


 

生産設計

技製品の品質・コスト・生産性は、開発段階で 80%決まってしまうと言われています。
そのため、製品開発の段階から”ものづくり視点”を取り入れた製品開発を行っています

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部品戦略購買

YOKOGAWAが採用する部品の調達を戦略的に管理し、開発/技術・購買・生産現場の課題を解決します

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生産設計とは

生産設計とは、技術部が求める設計要件に対して、材料・部品の共通化、加工のし易さ、組立易さといった生産目線での設計をすることです。
生産現場を良く知っている当社だからこそ出来る設計であり、横河電機、横河計測の技術者と一緒に製品開発や設計変更対応を行っています。

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メカ設計

開発部署・生産技術・製造メンバーと協業しながら、加工工程・組立工程・検査工程の最適化を実現するメカ設計を行っています

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エレキ設計

製品維持のため、製品の設計変更・評価および、プリント基板設計やシミュレーションなどエレキ設計を行っています。

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メカ設計とは

部品や材料を加工したり、組立をすることで製品は製造されます。この時に、いかに組立て易く、早く、そして安く作ることができるのかを考えながら設計を行います。技術部が行う基本設計の後に、技術部、生産技術、製造メンバーと協業しながら、加工工程、組立工程、検査工程の最適化を実現できる生産設計を行っています。

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事例紹介

筐体内製化

購入していた筐体を、ものづくり視点で、社内で製造できるように設計しました。
筐体が大きくなると溶接距離が長くなり、熱による影響も大きくなります。そこで、広い面の中心で部品を分割し、その部分をまげて組み合わせてから溶接する構造にしました。この設計により、背面部分の剛性が向上し、熱による歪みを抑制することができました。
また、ドアの部分も、曲げ加工を施した補強部品をスポット溶接することで、表面のたわみを防ぐ構造にしました。

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包装設計

製品自体の設計のみでなく、製品を安全に届けるために、それぞれの製品に適した梱包についても自社内で設計しています。
YOKOGAWA製品を安全にお客様の手元へ届けるため、製品の特性や輸送条件を考慮した設計を社内で行っています。また、環境負荷を抑えつつ、製品を固定するための箱の内部構造、箱の形状を最適化することで、持続可能な社会実現にも貢献しつつ、輸送コストの削減も実現できます。

<包装設計の流れ>
 ① 詳細設計
  ・製品特性に基づいた梱包仕様の立案・評価
  ・CADツールを仕様した設計図面の作成設計使用
 ② 試作・検証
  ・輸送環境を想定した振動試験や落下試験を通じた梱包試作の性能評価
  ・改善の立案と実装
 ③ コスト・環境負荷の最適化
  ・材料削減や環境負荷にやさしい資材の活用
  ・輸送効率向上によるコスト削減提案
 ④ お客様や他部署との連携
  ・製品企画、製品設計、品質保証、製品製造、生産技術の各部署との協働

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事例紹介

包装設計による製品輸送QDC
 

<Before>
海外生産拠点で生産されたYOKOGAWAのシステム製品は、お客様のプロジェクトごとの製品種別に個別梱包され、日本の工場に到着後、最終出荷前検査を工場内で実施しています。しかし、複数の梱包箱の開梱作業と広い作業スペースが必要となる課題がありました。

<After>​​​​​​
お客様のプロジェクトごとの複数の製品を、お客様の設置環境単位でまとめて梱包できるよう、段ボールキャビネット梱包を採用しました。これにより、梱包および開梱にかかる時間や作業スペース、輸送費を大幅に削減することを実現しました。また、包装資材の使用量も大幅に削減し、環境にも配慮した包装設計を実現しました。​​​​​​
​​​

参考:段ボールキャビネット開発による環境貢献 | YOKOGAWA

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エレキ設計とは

エレキ設計は、電子部品を組み合わせることで回路を設計し、さまざまな電子機器を作り出すプロセスです。
YOKOGAWA製品でも製品の機能を実現するための、重要なプロセスです。私たちの主な業務は、製品維持のための製品の設計変更・製品評価および、プリント基板設計やシミュレーションです。
供給安定性のある部品の選択や実装性を考慮した部品配置など、ものづくり視点で設計を行います。

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製品維持設計

YOKOGAWA製品は20~30年生産を継続するものも少なくありません。一方、部品のライフサイクルは約7~10年程度のため、部品の改訂・廃止が発生します。
そのため、"ものづくり視点"で設計変更を実施しながら製品機能・性能を維持させることで、お客様に長期渡って製品をご使用いただくことに貢献しています。
また、設計変更の際は、防爆、EMC、安全など各種規格への適合を維持することで、製品の市場性と信頼性を確保しています。
 ・代替部品選定
 ・電気回路設計
 ・製品評価
 ・規格対応

プリント基板設計

製品のコア部品の一つであるプリント基板の要素技術開発および設計を行っており、新製品開発ではプリント基板設計を通じ、設計の初期段階から技術部とともに最適なQDCを実現しています。
具体的には、下記活動を行っています。
 ・プリント基板メーカ選定及び品質確認
 ・プリント基板サイズ、MTB取り数の最適化
 ・シミュレーションによる電気的特性の最適化

事例紹介

プリント基板メーカー選定による最適QDC

プリント基板はコスト、納期最適化のため現地調達を基本とし、複数メーカーを採用することで供給安定をはかっています。
プリント基板で不具合が発生すると、全ての製品に波及する可能性が高いため、メーカー採用時は十分な評価を行い品質を確保しています。
今後の状況に応じて、アジア以外のメーカー採用も検討が必要です。

<プリント板製造メーカー分布>

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<内部品質・長期信頼性評価 一例>

MTB 取り数の最適化

プリント基板は、生産性向上のためMTBと呼ばれるある一定の大きさの板材に、複数枚配置して製造されます。
プリント基板の価格はMTBサイズ(下記の例の場合は238×287㎜)で決定するので、MTBにできる限り多くのプリント基板を配置できるような設計がコストダウンに繋がります。
下図のように、製品1pcsの取り数を12pcs / MTB ⇒ 16pcs / MTBに増加させることで、6.25%のコストダウンが実現しました。

SMT

設計シミュレーション

設計シミュレーションにより、電気特性的にも最適なプリント基板の配線パターンを実現します。

 

部品戦略購買とは

YOKOGAWAが採用する部品の調達を戦略的に管理し、開発/技術、購買、生産現場の課題を解決することによって生産効率の改善に貢献しています。
部品戦略購買の活動や目標は自部門だけでは達成することができず、他部署間(機能)や各施策と連携して活動しています。

具体的には、開発段階における開発購買活動を通じて、部品選定、原価低減を行っています。
そして選定された部品の登録や供給性調査、標準部品の指定・維持を通じて部品標準化を推進し、全体最適を図っています。
またYOKOGAWA製品を長期にわたり生産し続けるためには、いくつかの課題があります。その一つが部品の仕様変更(PCN*)や生産終了(EOL**)です。PCN/EOLに対して適切に対応することで、YOKOGAWA製品の継続的な生産を支えています。

PCN*(Product Change Notification):メーカーが部品の仕様や製造工程、材料など変更すること
EOL**(End of Life):メーカーが部品の生産・サポート終了すること

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部品標準化

YOKOGAWAグループ内で使用する部品の標準化を推進しています

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開発購買

製品開発の上流工程から部品選定に関与し、製品コストの最適化を目指して活動しています

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PCN / EOL部品管理

部品ライフサイクルにおける部品のマスター管理を行っています

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部品標準化とは

YOKOGAWA製品は多品種にわたり、それに伴い調達する部品の種類も多岐にわたります。
また、製品のライフサイクルが部品のライフサイクルより長いことも、部品の種類が増加する要因の一つとなっています。
こうした状況のもと、YOKOGAWAグループでは、グループ内で共通的に使用できる部品を厳選し、部品の標準化を推進しています。
部品標準化を進めることで、設計の効率化や調達・管理コストの削減といった効果が期待できます。

部品標準化の取り組みにはさまざまな活動がありますが、主な施策として以下を実施しています。

①標準部品の指定

同一の部品種内で類似した性能を持つ部品が複数登録されている場合、QDC*を総合的に考慮し、標準部品を指定します。

<3社の部品をYOKOGWAグループ内で使用している場合>

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  QDC*(Quality・Delivery・Cost):製造業において重要な3つの要素。品質/信頼性・納期/長期供給性・価格を表す言葉

 

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②標準部品の使用促進

標準部品の指定だけではなく、YOKOGAWAグループ全体での積極的な採用を推進することで、標準化の効果を最大化します。
そのために、以下の施策を実施しています。
 ・部品選定ガイドの策定:部品種ごとの適切な標準部品を選定するための指針を策定
 ・標準部品の採用ルールの策定:各設計部門における標準部品の採用率をルール化し活用を促進

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開発購買とは

開発購買とは、調達・購買部署が製品開発の上流工程(=製品の発売前)から部品選定に関与し、製品コストの最適化を目指す活動です。
製品開発における部品選定の段階で、開発購買はエンジニア目線と購買目線の両面から部品選定を行い、QDC+T(Quality・Delivery・Cost+Technology)の観点で優れた部品の採用を推進します。

YOKOGAWAの開発購買活動について

YOKOGAWAの開発購買における最も重要な目的は、最適な部品の選定です。最適な部品とは、設計仕様を満たし、品質・信頼性、長期供給性・調達性、価格に優れた部品を指します。また、部品の標準化活動にも積極的に取り組んでおり、YOKOGAWAグループ内で共通して使用できる部品の選定を推進しています。

従来の製品開発では、設計部門が中心となって部品選定を行っていました。その結果、購買の視点が不足することがあり、量産開始後に短期間で部品のEOL(End of Life)対応が必要になるなどの課題が発生することがあります。
これに対して、YOKOGAWAでは生産機能会社である当社に「開発購買」を立ち上げ、製品設計の初期段階から購買的な視点を取り入れることで、長期供給が可能な部品選定を行い、課題解決に向けた取り組みを進めています。

これらの活動を製品事業部と連携して実施することで、部品の標準化や共通化、開発効率の向上、そして製品原価の低減を実現し、YOKOGAWAの利益に貢献しています。

SAL

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サプライヤーとの連携

開発購買の活動には、サプライヤー(部品メーカーおよび販売代理店)との連携が不可欠です。サプライヤーは部品を供給するだけでなく、技術情報を収集するための重要な窓口としての役割を担っています。
部品を採用するには、さまざまな情報を収集する必要があります。広範囲にわたる部品調査を行うことで、より精度の高い情報を得ることができます。開発購買では、豊富な購買情報の中から適切なサプライヤーを選定し、サプライヤーと連携して最適な部品選定を進めています。

「購買」+「設計」のスキルを合わせた部品選定のスペシャリスト

最適な部品を選定するためには、部品に対する理解を深めることが重要です。また、設計部門の視点で部品仕様を検討し、購買部門の視点で長期的に供給可能かつコストメリットのある部品を選定するなど、さまざまな視点からのアプローチが必要です。これらの活動は、製品設計者やサプライヤーとの協力なしでは実現できません。そのため、高いコミュニケーション能力が求められます。

PCN / EOL部品管理とは

部品ライフサイクルにおける部品の改訂・廃止を伴う、社内システムのマスター管理を行っています。
部品メーカー・サプライヤーからの通達に対して、代替え検討、部品確保を適正に対応/処理することにより、YOKOGAWAのものづくりを継続しています。
会社内の在庫(海外生産拠点含む)を無駄なく使用し、適正な在庫量と入手時期の調整・管理を行っています。

< 部品ライフサイクルにおけるPCN / EOLの発生イメージ >

LIFE

talk

 

在庫管理プロセス

PCN / EOLの通達を受け、関係部署への展開と最終購入数の取りまとめを行い、国内外の部品メーカー・サプライヤーと納期・価格交渉を実施します。
また、社内在庫を有効活用し、製品ライフサイクルに合わせて無駄を最小限に抑える仕組みを構築し、社内システムによる一元管理を通じて適正な部品管理を行っています。

< PCN / EOL部品管理の関係図 >

PCN

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